広報くまとり 令和5年6月号第865号 2,3,4,5ページ ☆特集 ●お口から始まる健康づくり! ○「むし歯」と 「歯周病」を予防! 6月4日〜10日は、大切な歯を守るために歯と口の健康に関する知識を学ぶ「歯と口の健康週間」です。 元気に生活をする上で欠かすことのできない「お口の健康」。 あなたは、どんなケアをしていますか? 歯科医師と歯科衛生士にお口のケアについてお話を伺いました。 さあ、あなたも今日から正しいお口のケアをして、80歳で20本以上の歯を保つ『8020』を目指しましょう! ○歯の病気は全身の健康に影響を及ぼします! 現在、日本は高齢化社会を迎えており、今後ますます加速します。 そのような中でも、人はいきいき健康に暮らしていかねばなりません。歯も同様です。 歯を失う原因は、大きく3つあります 1位は歯周病、2位はう蝕(むし歯)、3位は歯の破折です。 その中でも1位の歯周病は慢性化しやすく、糖尿病同様、初期段階では症状がない病気で、症状が出たときには歯肉が腫れ、骨が溶けて歯がグラグラになり抜け落ちてしまいます。この原因は、「歯垢(プラーク)」の中にいる歯周病菌です。それは人の一生の中で、例えば妊娠期、成人期、高齢期での健康に影響します。 (一社)泉佐野泉南歯科医師会 会長 若松 宏幸 先生の写真 1 妊娠期 早産、低体重児出産のリスクが高くなります。 歯周病菌によってつくられた炎症性物質が、子宮を収縮させる作用のある物質などに影響を及ぼすことがあります。 2 成人期 糖尿病、狭心症、心筋梗塞のリスクが高くなります。 歯周病菌によってつくられた炎症性物質が血液中のインスリンの働きを低下させるため、血糖値が下がりにくくなります。 そのため、糖尿病の人は歯周病が悪化しやすい傾向にあります。 また、歯周病が引き起こす動脈硬化により、心臓に血液を送る血管が狭くなったり、詰まったりするため、狭心症、心筋梗塞のリスクを高めます。 3 高齢期 高齢になってくると、のどの筋力も低下しやすくなるため、誤嚥(食道に入るべき物が間違って気管に入ってしまうこと)のリスクが高まるうえに、手指の衰えにより、お口の衛生状態を保ちにくくなるため、歯周病菌による誤嚥性肺炎(現在は高齢者の死亡原因上位)を起こしやすくなります。 しかし、熊取町での上記年代の歯科健診受診率は、低い状況です。 歯の病気は全身の健康に影響を及ぼしますので、定期的な健診を受けましょう。 熊取町では、各年代における歯科健診、歯科相談等を実施しております。ぜひご活用ください。 ○歯科衛生士のワンポイントアドバイス むし歯や歯周病の直接の原因は、歯の表面に付く白いネバネバした歯垢(プラーク)です! 歯垢は、むし歯菌や歯周病菌などの細菌の塊で、歯垢1グラムには1,000億個もの細菌がいると言われています。 歯垢は、うがいでは取れません。歯ブラシや歯間清掃用具(歯間ブラシ・デンタルフロス・糸ようじ)を使用して、しっかりと歯垢を取り除きましょう。 歯ブラシで取れる歯垢は、60%ぐらいです。歯と歯の間、歯ならびが複雑なところなどは、デンタルフロスや歯間ブラシ、ポイントブラシの使用が効果的です。 かかりつけ歯科医院に相談して、自分に合った用具とみがき方を知りましょう。 歯科衛生士 大森 さんの写真 ○歯磨き方法 1 歯ブラシは、鉛筆を持つように軽く持つ 2 歯ブラシの毛先をやさしく歯に当てる 3 1度に1〜2本ずつ毛先を細かく「こちょこちょ」と振動させるように動かす 4 歯と歯の間や1本残っている歯、 一番奥の歯の後ろなどを工夫してみがく。歯間ブラシ・デンタルフロス・ポイントブラシ(ワンタフトブラシ)などを使用。 出典 大阪府歯科医師会 冊子『高齢者のための新しい口腔保健指導ガイドブック』 小冊子『妊娠・授乳期の歯の健康』 ○お口のチェック むし歯のチェック表 1 冷たいものがしみる 2 歯と歯の間に食べ物がはさまりやすい 3 舌や歯ブラシの毛が歯にひっかかる 4 食事や歯磨きのときに痛みがある 5 部分的に歯が黒くなっている 6 歯に穴があいている 歯周病のチェック表 1 口が臭いと言われたことがある 2 歯を磨いた時に歯グキから出血する 3 歯がぐらついて食べ物がよく噛めない 4 歯グキがやせて以前より歯が長くなった 5 朝起きた時口の中がネバネバする 6 歯グキを指で押すと出血したり膿が出る 7 冷たいものを飲むと歯や歯グキにしみる チェックがあれば「かかりつけ歯科医」へ! ○熊取町の歯の健康をサポートするための取り組み 妊婦歯科健診 母子健康手帳交付時に受診券を発行します。医療機関に提出して受けてください。 実施場所 熊取町・泉佐野市内の協力医療機関 1歳7か月児健診 歯科健診とともにフッ素塗布も無料で受けられます。 2歳6か月児歯科健診 歯科健診とともにフッ素塗布も無料で受けられます。 3歳6か月児健診 歯科健診とともにフッ素塗布も無料で受けられます。 すくすく相談 赤ちゃんから就学前のお子さんの歯について気軽に相談できます。 申し込み すくすくステーション 学校歯科健診 年に1回、学校で受けられます。 成人歯科健診 40〜74歳の方は年に1回、無料で受けられます。 実施場所 熊取町内の協力医療機関 成人歯科相談(特定健診に併設) 歯科衛生士による歯科相談が受けられます。 後期高齢者医療歯科健診 後期高齢者の方は年に1回、無料で受けられます。 タピオステーション 言語聴覚士・歯科衛生士によるお口の体操、歯科衛生士による磨き方の話を実施しています。 ふれあい元気教室 歯科衛生士による口腔内の染め出し、お口の体操、歯磨き、義歯のお手入れ方法の話が聞けます。 以上で2,3,4,5ページは終わりです。