広報くまとり令和7年2月号第885号 2,3,4,5,6ページ ☆特集 あなたと図書館の30周年 本を読むだけじゃない、図書館の魅力は歴史とともに インターネットの普及により、いつでもどこでも情報を得られる時代になった今、あえて図書館に足を運ぶ方は少なくなったのではないでしょうか? 熊取図書館は2024年11月で開館30周年を迎えました。 30年前、皆さんからの要望に応える形でできあがったこの図書館は、1996年に大阪都市景観建築賞で大阪府知事賞を受賞し、緑の丘にたたずむ開放的かつシンプルな『知』のふれあい空間として今も親しまれています。 今回は熊取図書館の歴史を一緒に振り返りながら、図書館を利用している方々にその魅力について教えていただきましょう。 ●1994年11月 図書館開館 開館の約10年前の住民アンケートで欲しい施設 第1位に選ばれてから住民の方との協働で図書館づくりが始まり、待望の図書館ができました。 ●1994年12月 移動図書館『ひまわり号』運行開始 移動図書館は約13年間町内各地を回りましたが、排ガス規制により2007年2月に運行を終了しました。 ●1995年 熊取町人口4万人突破 ●1997年10月 リニューアルされた熊取駅に返却BOX 設置 『熊取駅前住民サービスコーナー』で本が返却できるようになりました。2003年11月からは予約本の受け取りもできるようになりました。 ●2001年 ミルデューラ市と姉妹都市提携 ●2002年4月 4か月児健診にて『ブックスタート』開始 親子1組ごとに絵本を使った子育てをご案内しています。これまで7000組以上の親子にブックスタートパックをお渡ししました。 ●2002年11月 リサイクルブックフェア開始 リサイクルブック実行委員会により、図書館で除籍した本を有償譲渡。収益金は学校図書館・保育所等で活用しています。 ●2005年3月 インターネットから予約受付開始 インターネットから本の予約が可能になり、利用者の利便性が大きく向上しました。 ●2005年11月 『熊取交流センター(煉瓦館)』開館 ●2008年8月 大学図書館との連携協力に関する覚書締結 住民や学生の読書推進のため2008年に大阪体育大学と関西医療大学、2014年に大阪観光大学と覚書を締結しました。 ●2009年2月 『健康コーナー』設置 健康・医療・介護に特化した『健康コーナー』の他、後年には『スキルアップコーナー』『旅コーナー』などもできました。 ●2010年 図書館ボランティアにかかる講習会開催 本の修理講座から『しゅうり工房』、布の絵本製作講習会から『いちごの会』が発足しました ●2011年4月 『司書のおすすめ本』開始 棚に並んでしまうと手に取られない本を中心に紹介しています。これまでにオススメした本は約1000冊。 ●2011年11月 町マスコットキャラクター 『メジーナちゃん』正式決定。 ●2013年7月 『図書館を使った調べる学習コンクール』開始 町内小学生から探究学習の力作が毎年応募されます。これまでの応募総数は3863点。2023年以降の優秀作品は電子図書館で公開中。 ●2015年5月 屋外スペースの活用『そとみせ』開始 屋外スペースは地域交流を目的に提供を開始しました ●2015年11月 『永楽ゆめの森公園』開園 ●2019年6月 泉南地域の図書館、相互利用開始 5市3町の図書館利用に関する協定書を締結し、泉南地域のどこの図書館でも利用できるようになりました。 ●2022年4月 住民提案協働事業『エンタメくまとり』実施 小・中・高校生の利用促進を目的にマジックを通した講座・イベントを実施。同時にエスエヌエスでの情報発信を開始。 ●2022年10月 電子図書館サービス開始 インターネット環境があればいつでもどこでも電子書籍・雑誌が読めるようになりました。 ●2024年3月 かむかむプラザ・キテーネホール開館 ●2024年11月 開館30周年 11月4日たくさんの住民の方と一緒に記念事業『としょフェス』を開催しました。 ■みんなとおすすめ図書館 普段から熊取図書館を利用している皆さんに図書館との思い出とおすすめしたいものを教えてもらいました □本も人も動く図書館であってほしい 『れもんの会』メンバー おおの ともこさん 読書会れもんの会ではみんなが同じ本を読み、その内容やテーマについて感想や意見を交換するという活動を行っています。 今回、れもんの会としておはなし小包という企画を図書館で実施できたのも、地域の人のためにと動いてくれた司書の皆さんのおかげです。 おはなし小包は、封筒の中の本を読み、誰かに想いを届けたいと感じたら、小包に感想を書いて返し、本が想いを乗せて人の手をわたっていく企画です。 自分の意見を論理的に話すということももちろん大事ですが、相手の話を聞いたり気持ちに寄り添ったりする力が育つところが読書の魅力ではないでしょうか。 本も人も動く、そんな図書館だからこそ地域の人に必要とされていると思います。 ■私のおすすめ おはなし小包 小包の中の本があなたと誰かの想いを繋ぎます。この本がどこかで誰かを喜ばせてあげますように。 □どんな時でも迎えてくれる場所 図書館歴30年 いしかわ いさむさん 「あたまイキイキ音読教室」に参加したり、俳句教室「こぶし」のメンバーとして活動したりと多い時には週2〜3回図書館に来ています。 子どもの頃から本が好きだったのですが、時間のできた今はさらに読む機会が増えました。 図書館は天候や季節に左右されず、いつでもゆったりと過ごすことができる場所です。 コーナー展示やイベントの企画など司書の皆さんはいつも工夫されていて、飽きることなく楽しめます。 特にこのジャンルと決めて探すのではなく、図書館の中を散歩しながら見てまわることで新しい出会いがあるのも図書館の良いところだと思います。 こんなにいい施設が町の中にあるのだから、もっとたくさんの人に来て欲しいなと思います。 ■私のおすすめ 窓際の椅子 朝・昼・夕どの時間帯の良さも味わえる窓際の椅子。大名気分でゆったり過ごせます。 □子どもには本を好きになる環境を串田ファミリー(舶仁くん・一華ちゃん・千絵美さん) 子どもが生まれたタイミングで熊取町に引っ越してきました。 知り合いをつくりたかったのと自分は本が苦手だったので、子どもには本を好きになってもらいたくて図書館に通い始めました。 はじめのうちは、司書の方にアドバイスをもらいながら子どもの本を選んでいたのですが、そのうち私も本を読むのが好きになっていました。 今では週に2〜3回、子どもたちと一緒に図書館を利用しています。熊取図書館は子連れでも入りやすく、いろんなイベントが開催されていていつも楽しく利用することができます。 図書館のおかげで熊取町に引っ越してよかったなと思えました。 ■私のおすすめ 大好きなシリーズ 千絵美 さん『まるまるのひみつシリーズ』 一華 ちゃん『こんぶのひみつ』 舶仁 くん『サバイバルシリーズ』 □図書館は『第2の家』 あんだち けいいちさん・あおいさん・おがわ はやてさん 僕たちは、図書館の利用が少ない小学校高学年から高校生に足を運んでもらうためのイベント「エンタメくまとり」でマジックを学び、披露しています。 僕たちが披露するマジックを見て、驚いている皆さんの反応を間近で見られるのはとても楽しくて、技が決まった後の拍手はたまりません。ぜひ見に来ていただきたいです。 イベントの出演だけでなく、本が好きで小さい頃から熊取図書館に通い詰めているので、今は「第2の家」のように感じています。 小さい頃に「絵本の読み聞かせ」をしてもらったのもすごく印象的でした。ずっと通っていると「大きくなったね」と声をかけてくれる人もいて、とても嬉しい気持ちになります。 熊取図書館は地域で僕たちの成長を見守ってくれる温かい場所です。 ■私のおすすめ マジックの本 なかなか手に入らない貴重な本もこの図書館に!ぜひ探してみてね。 □熊取図書館司書 おすすめ本 おすすめの本など私たち司書に気軽にご相談ください! 図書館を題材にした4冊の本をご紹介! たくさんある本の中からジャンル別におすすめの本をご紹介。読後感はさまざまです。お気に入りの本に出合えますように。 1、ほっこり系小説 お探し物は図書室まで 著者名:青山 美智子 出版社:ポプラ社 人生に悶々としている主人公が、ふと入り込んだ図書室。司書の勧める意外な本と手作りの付録が、主人公を思い込みの穴から救い出す心安らぐ物語。 2、ドキュメンタリー 風をつかまえた少年 著者名:ウィリアム・カムクワンバ・ブライアン・ミーラー 出版社:文藝春秋 授業料が払えず中学に行けなくなった少年は、図書室に通い続ける。物理の本から得た知識で、廃材から風車を作り発電に成功した。アフリカマラウイの実話。 3、ミステリー 図書館の殺人 著者名:青崎 有吾 出版社:東京創元社 深夜の図書館で起こった殺人事件。被害者は利用者の大学生。警察の依頼を受けた高校生が、論理的な推理で謎を解く。今注目の作家のデビュー作シリーズ。 4、ダークファンタジー ふしぎな図書館 著者名:村上 春樹 絵:佐々木 マキ 出版社:講談社 訪れた図書館で羊男に連れて行かれたのは、真夜中の墓場のような牢屋だった。ぼくは、母の待つ家に無事に帰れるのだろうか。奇妙でスリリングな物語。 □これからの図書館 住民とともに育つ図書館 ようやく30年 熊取図書館を設計した 鬼頭 梓 氏は、平成3年開催の住民向けの「建設懇談会」の中で、「図書館は図書館を建てたら図書館になるのではなく50年、100年かけてその地域の人が育ててその土地の図書館になっていくのです」と語られました。 熊取図書館は、その理念のもと、図書館建設中から現在まで住民の方とともに図書館づくりを行ってきました。 開館して30年、今ではともに開館記念イベントを行うまでに関係性が深まりました。 これからも住民の方とのつながりを大切にしつつ、熊取らしさを失わず、時代に合わせた図書館づくりをしていきます。 図書館は、本を借りることはもちろん、新聞や雑誌を読んだり、調べ物や学習をしたり、イベントに参加したり、人と交流したり…さまざまなことができる場です。 ぜひ、図書館に足を運んで、あなたのお気に入りの「まるまる」を見つけてください。 □開館30周年記念事業 大学連携文化講演会 台湾原住民族と文化観光  ルカイのフィールドから台湾の先住民族ルカイ族について、フィールドワークの経験から文化観光とその問題点について、お話しいただきます。 ■対象 中学生以上 ■定員 先着60人 ■講師 大阪観光大学観光学部 ゆうしょう氏 ■申込方法 2月6日(木曜日) ホームページは午前0時から、電話は午前10時から申し込み □開館30周年記念事業 連続講座の様子や熊取町歌を町公式YouTubeで公開中! 以上で2,3,4,5,6ページは終わりです。