「降井家住宅」が日本遺産(葛城修験)に追加認定されました

熊取町を含む3市町(熊取町、貝塚市、泉南市)が、令和6年度「日本遺産(Japan Heritage)」認定内容の変更において、『「葛城修験」-里人とともに守り伝える修験道はじまりの地』のストーリーの内容を充実させるものであるとして、文化庁より構成文化財の追加認定を受けました。なお熊取町、貝塚市、泉南市に所在する文化財としては、それぞれ初の日本遺産認定となります。

日本遺産「葛城修験」は、令和2年に文化庁より認定され、当初は和歌山県、大阪府、奈良県の3府県にまたがる19市町村、91件の構成文化財によるものでしたが、令和3年に2件の文化財が追加認定されたことで20市町村、93件となり、さらに今年度の認定内容の変更によって、23市町村、97件の文化財によって構成されるものとなりました。

葛城修験と日本遺産

今回追加された熊取町の文化財

降井家住宅 (泉南郡熊取町大久保中)

降井家は、古くより当地方の旧家であり、江戸時代には岸和田藩七人庄屋の筆頭を務めています。

泉佐野市の奥家に残る「奥家文書」(「阿遮羅院書状(あしゃらいんしょじょう)」)によると、江戸後期の文化年間に、聖護院門跡(しょうごいんもんぜき)が行う最も重要な儀式である「葛城灌頂(かつらぎかんじょう)」(中津川修行)へ赴く際、熊取大久保の中左太夫(降井)家に休息所として立ち寄り、中津川に至ることが記されており、葛城修験との関係性がうかがえます。

また、修験者の拠点でもあった根来寺との関係も深く、根来寺にある降井家の子院「寿命院(じゅみょういん)」に、代々子弟を送り込む氏人でありました。

降井家の邸内には江戸初期の数寄屋風の書院(国指定重要文化財)や、明治初期の豪壮な主屋、表門、土蔵、鎮守社、樹齢数百年のくろがねもち(町指定天然記念物)などの文化財が多く残っています。

なかでも書院は、奥座敷である上段の間に狩野派絵師による金箔を用いた煌びやかな障壁画が、対照的に次の間には質素な花鳥画が配されており、庭園を含めて、客人を迎え入れるにふさわしい格調高い景観を見せています。

なお、普段は非公開となっています(毎年11月上旬に一般公開予定としています)。

降井家書院(重要文化財)の写真

降井家住宅(写真は重要文化財降井家書院)

日本遺産「葛城修験」のストーリー(概要)

大阪と和歌山の府県境を東西に走る和泉山脈、大阪と奈良の府県境に南北にそびえる金剛山地。総延長112キロメートルに及ぶこの峰々一帯は「葛城」と呼ばれ、修験道の開祖と言われる役行者(えんのぎょうじゃ)がはじめて修行を積んだ地であり、世界遺産の吉野・大峯と並ぶ「修行の二大聖地」と称されています。そしてその修行にはいつの時代も、この地に暮らす人々との深いつながりがありました。

日本遺産とは

地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定。

ストーリーを語る上で欠かせない魅力溢れる文化財群を地域が主体となって、総合的に整備・活用し、国内・海外へも戦略的に発信していくことにより、地域の活性化を図ります。

 

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