町営大原住宅建替工事(第2期)請負代金請求控訴事件の判決について

町営大原住宅建替工事(第2期)請負代金請求控訴事件の判決が確定しました。

 町営大原住宅建替工事における談合事件に関連する裁判については、昨年11月に大阪地方裁判所の和解勧告を受け、町長は、この和解案を町議会に提案しましたが否決となり、本年2月に大阪地方裁判所の判決がありました。また、町議会の意思を尊重し、議会の議決を得て、大阪高等裁判所に控訴していましたが、本年6月24日に「控訴棄却」の判決が言い渡され、このほど確定しました。 

控訴審では、一審での主張を精査、強化した控訴理由書を提出し、また、町議会の主張を取りまとめた陳述書を提出するなど、本町の主張を裁判所に強く訴えましたが、6月24日に第一審判決書の「事実及び理由」の一部を補正したうえで、第一審判決は相当であり、本件控訴および附帯控訴はいずれも理由がないとして、次のとおり「控訴棄却」の判決が言い渡されました。

(判決内容は次のとおりです)

  1.  本件控訴を棄却する。
  2.  本件附帯控訴を棄却する。
  3. 控訴費用は一審被告の負担とし、附帯控訴費用は一審原告の負担とする。

 一審:原告は今勝建設株式会社、被告は熊取町

この判決を受け、本町は、上告(上告受理の申立て)することも視野に入れ、総合的に検討をおこないましたが、

  •  最高裁判所における上告審の段階では、上告理由や同申立理由が制限されており、現状では、これらにあてはまるような不服理由が見当たらない
  •  上告審では、新たな事実主張や証拠提出はできず、もっぱら憲法違反および法令違反などの観点を重視した法律審としての審理となり、事実認定の不当を争う場とはならない
  •  上告することにより、結果として相手方に支払うべき金員(遅延損害金など)の増加が懸念されるほか、訴訟費用をはじめ、さらなる訴訟事務に要する職員体制の確保など、実質的に住民のみなさんの負担増となる

などの点を勘案したうえで、上告はおこなわないことが適当と判断しました。

その結果、平成21年7月9日、控訴審判決が確定しました。

今後は、当該談合事件を契機に平成20年度から抜本的に取り組んでいる入札制度改革をさらに推進し、適正かつ公正な入札の執行に努めます。

本件裁判に関する費用(概算)の推移  

本件裁判に関する費用(概算)の詳細
 

支出金額

内容

平成20年11月11日の和解案を受け入れていた場合の費用

約1760万円

(工事代金残金)+(弁護士費用)

1470万円+約290万円

平成21年2月3日の第一審判決を受け入れていた場合の費用

約1833万円

(工事代金残金)+(利息)+(弁護士費用)

1470万円+約73万円+約290万円

平成21年6月24日の控訴審判決の確定による費用

約1961万円

(工事代金残金)+(利息)+(弁護士費用など)

1470万円+約101万円+約390万円

 

町営大原住宅建替工事(第2期)請負代金請求事件のこれまでの経過

平成20年2月25日

本町(被告)が町営大原住宅建替工事(第2期)の談合による損害賠償請求額として、請負契約金額(6億6150万円・税込)と最低制限価格(5億7645万円・税込)との差額8505万円を、工事請負代金から相殺により差し引いて、平成20年2月25日に工事請負業者である今勝建設株式会社(原告)に支払ったところ、同社はこれを不服として、本町に3874万5千円の支払いを求めて、大阪地方裁判所に提起。

平成20年11月11日

審理を重ねていたところ、平成20年11月11日に町が差し引いた8505万円のうち1470万円を今勝建設株式会社に支払うよう裁判所から和解勧告がなされ、その内容は、工事請負代金の10.63%に当たる損害賠償額を認めたものであり、全国的な判例からみても最高水準の認定率で、本町にとって有利な条件であると判断し、裁判所の和解勧告を受け入れるため、議会に提案したが、平成20年12月19日の本会議において賛成7人、反対8人で否決された。

平成21年2月3日

大阪地方裁判所において、次の判決が言い渡される。

  1.  被告は、原告に対し、1470万円及びこれに対する平成20年2月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  2.  原告のその余の請求を棄却する。
  3.  訴訟費用は、これを3分し、その2を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。
  4.  この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

平成21年2月13日

和解案否決の議会意思を尊重し、控訴すべきか否か審議するための臨時議会を開会。

臨時議会では「一審では本町の主張がしつくされていないところもある。」という意見もあり、控訴することに賛成8人、反対7人で議決され、同日、大阪高等裁判所への控訴とともに、工事代金残金の支払いの仮執行を停止するため、大阪法務局に裁判上の保証供託の手続をおこなう。

また、本町の控訴を受け、今勝建設株式会社は、平成21年3月16日に提訴どおりの金額およびこれに対する年5分の割合の金員を求めるなどの附帯控訴をおこなう。

 附帯控訴…控訴された側が第一審の判決を自己に有利に変更するよう求めることのできる、不服申し立ての制度。

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