ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)とは

ホウ素中性子捕捉療法 【BNCT Boron Neutron Capture Therapy】とは

 原子炉などから発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ、中性子とホウ素薬剤との反応を利用して、正常細胞にあまり損傷を与えず、がん細胞のみを選択的に破壊する治療法です。
 この治療法は、がん細胞と正常細胞が混在している悪性度の高い脳腫瘍をはじめとするがんに特に効果的で、がん細胞だけを選択的に破壊するため、体への負担が少なく、生活の質(QOL)の向上が期待できます。

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の原理

 がん細胞に取り込まれやすいホウ素薬剤をあらかじめ投与し、がん細胞にホウ素薬剤が集まった時に中性子を照射します。

 ここで使われるホウ素薬剤(ホウ素-10)は中性子と反応しやすいものを使用します。また、照射する中性子もホウ素との反応は大きいが低エネルギーの熱中性子を照射します。

 ホウ素-10が中性子を取り込むと核反応が起こり、強力な細胞殺傷力を持つ重荷電粒子(ヘリウムとリチウム)に分裂します。分裂した重荷電粒子が飛ぶ距離は細胞一個分であるため、その細胞一個分のみを破壊します。

 ホウ素-10を取り込んだがん細胞はこの反応により破壊されます。しかし、ホウ素-10を取り込んでいない正常細胞は熱中性子の影響がありません。

 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、周囲の正常細胞を傷つけず、がん細胞を選択的に破壊する、体にやさしいがん治療法です。

ホウ素中性子捕捉療法の原理図

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政経営課(政策企画グループ)

電話:072-452-9016
ファックス:072-452-7103
〒590-0495
大阪府泉南郡熊取町野田1丁目1番1号(役場本館2階)

メールフォームでのお問い合わせ