(2014年2月)京都大学原子炉実験所の「中性子発生装置室に隣接する測定室における火災警報の発報」に係る情報提供について

 標題のことについて、平成26年2月16日(日曜日)22時に京都大学原子炉実験所において火災警報が発報し、消防署の出動要請を行う事象が発生しましたので、その経過等について情報提供します。

 なお、火災警報は誤報であり、以下のとおり火災ではありませんでした。

1.火災警報発報日時

平成26年2月16日(日曜日)22時

2.発報した施設名

中性子発生装置室(ライナック)に隣接する測定室(以下「測定室」という。)

3.状況

 京都大学原子炉実験所において、2月17日(月曜日)に使用する実験設備を真空状態にするため、2月16日(日曜日)15時頃から測定室に設置した真空ポンプを運転していたところ、22時に同室の火災警報が発報しました。発報後、当直者が確認をしたところ室内に煙が充満していることを室外から目視確認し消防署へ通報しました。

 22時25分に招集された所員2名と当直者が測定室周辺の点検を行うとともに空間線量を測定し異常のないことを確認のうえ、同室内に進入して火元がないこと及び室内の空間線量を測定し異常がないことを確認しました。その際、運転中の真空ポンプ(注釈1)からオイルミスト(油霧)が発生していることを発見し、ポンプの運転を停止させたところオイルミストは停止しました。

 22時35分頃から消防隊員による発生現場の確認作業が行われ、火災による煙ではなくオイルミストにより煙探知機が作動した誤報であり、「非火災」であるとの判断がなされました。

4.環境への影響

 環境への影響なし。

 空間線量の測定の結果及びスミヤ検査(注釈2)の結果は異常なし。

5.原因

 煙探知機が作動した原因は真空ポンプから発生した過剰なオイルミストによるものですが、過剰に発生した原因については次のとりです。

  1. 真空ポンプの潤滑油の量を誤って多く入れすぎたため適正範囲を超えていた。
  2. 既に同ポンプの使用実績があり、その際には問題がなかったため、オイルミストトラップの設置をしていなかった。

6.その他

 事象発生後において当該ポンプの使用を停止しておりましたが、原因が特定されたため、試運転を経て、平成26年3月10日の週より運転再開の予定となっております。

  • (注釈1)回転ロターで空気を排気して、真空を作り出すポンプ。ポンプ起動時には、空気分が多いため、排気音と油霧が発生することがあるが、しばらくすると治まる。
  • (注釈2)床面などの汚染検査をする方法、直径2センチメートルくらいのろ紙を測定箇所にこすり付けて試料を採取し、放射線測定器で測定する方法。

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