大宮

大宮やりまわし

制作 昭和八年新調
大工 植山宗一郎
彫刻師 吉岡義峰・森曲江

纏頭は亀甲三方正面に「大」の字に「三矢」が交差し「大三矢(おおみや)」とした洒落たもの。
大森神社の宮元であり、宮入では殿(しんがり)を務める。地車は熊取で今尚最大で、その大きさゆえ鳥居に接触しない様、鳥居下の土を掘らなければならないほどである。
大工は昭和初期を代表する名工植山宗一郎で、絹屋・久吾の手解きを受けた後、独学で地車の研究をした苦労人。
一方の彫刻は、名匠吉岡義峰で京都の彫師。日本画においても名を成し、その肉筆画は収集家達の間で高値で取引されていると云う。ゆえに、地車を語る上で前述の野田と並び「知らねば恥」と言わしめた泉州屈指の名地車である。彫刻は奥行き厚みが充分にとられた部材を生かし、躍動感あふれる作品に仕上がっている。
平成二十一年の大修復により大屋根も新調当時の面影を取り戻し、現在の美しい姿見となっている。